私が初めてドイツを訪れたとき、まず驚いたのは、街にほとんどゴミが落ちていないこと。
観光地でも住宅街でも、道端にペットボトルや空き缶が見当たらない!
最初は「清掃が行き届いているのかな?」と思いましたが、実はその背景には、ドイツ独自の Pfand制度 がありました♻️🌟
グローバルWiFi
♻️ ドイツのリサイクル文化とは?
ドイツはEUでもとても高い水準のリサイクル率を保っています💫
2022年の自治体ごみ(いわゆる家庭ごみ)リサイクル率は約70%で、EU内のトップ水準でした。
分別の基本はこんな感じです(地域差あり)👇
Glascontainer(ガラス用コンテナ):白・緑・茶ガラスを分けて投入
Gelber Sack (黄色の袋)/ Gelbe Tonne:プラ・金属などの包装材
Blaue Tonne(青い箱):紙・段ボール
Braune Tonne(茶色の箱):生ごみ
Schwarze Tonne(黒い箱):その他
この分別文化が根づいているのは、制度だけでなく、国民一人ひとりの「資源を大切にする意識」があるからこそです。
なお、飲み物の容器には「Pfand」という身近な仕組みもあります。
🥤 Pfand制度とは?
Pfandとは、飲料容器に課されるデポジット(保証金)制度のこと。
スーパーでペットボトルや缶を買うときに、容器代として少し上乗せして支払い、飲み終わったら返却すればその分が返ってくる仕組みです。
(ドイツ語で「Pfand」は「担保」や「預かり金」の意味があります)
💶 Pfand金額の目安💶
| 容器の種類 | Pfand 金額 | 説明 |
|---|---|---|
| 使い捨てタイプ(Einweg) | €0.25(25セント) | ペットボトル・缶などの使い捨て容器。 |
| 再利用タイプ(Mehrweg) | €0.08〜€0.15 | ガラス瓶や厚手のPETなど再利用可能な容器。 |
| ビール瓶(一般タイプ) | €0.08 | クラシックなガラス製ビール瓶。 |
| ビール瓶(スイングトップ式) | €0.15 | フタ付きで再利用できる瓶。 |
| ミネラルウォーター/ソフトドリンク(再利用型) | €0.15 | 厚手のPETまたはガラス製容器。 |
| ワイン瓶 | €0.02〜€0.03 | 一部のワイン瓶にのみ適用。 |
| ボトルクレート(ケース) | 約€1.50 | ビール瓶などをまとめるケース。 |
こうした制度があるからこそ、人々はボトルを無造作に捨てることがなく、もし捨てられているものがあっても、誰かが自然に回収していきます。
そして実際に、ごく普通の人がゴミ箱の中からペットボトルを取り出す姿を目にすることもあります。
それは特別なことではなく、この国ではごく当たり前の光景です。
🏪 Pfandの返却方法
返却自体はとてもシンプルです☺️
スーパーやドラッグストアにある Pfandautomat(返却機) に、空きボトルや缶をそのまま投入するだけ!
- 容器を返却機に入れる
- 機械がバーコードを読み取って、返金額を計算
- レシートが発行され、それをレジで提示すれば返金または割引
注意点は、返却機が容器を正しく認識できるように、状態に気をつけること。
(例:バーコードが見えるように、ラベルを剥がさず、形を保っておくなど)
また、多くのスーパーでは、他店で買った容器でも同じ種類なら返却可能です(ただし同じタイプであることが条件)。
⚠️ Pfand返却の注意点
返却機が認識できないことがあるので、以下のポイントを押さえると安心です😄
- ラベルを剥がさない
バーコードがプリントされたラベルがないと、機械が読み取れません。 - ボトルをつぶさない
形が大きく変わってしまうと、スキャナーが認識しにくくなります。 - 中身を残さない
液体が残っていると機械が反応しないことがあります。
わが家の失敗談:一度、夫が歯に挟まったものを取るのにラベルを使いたいと言って剥がしてしまい、そのボトルは返却できませんでした😅💦
バーコード、大事…というのを身をもって学びました。
これらの点を守れば、返却トラブルはかなり減ります〜👍
🌱 Pfandのはじまり
1991年|土台づくり
「出した包装は事業者が回収まで責任」という包装規則がスタート。
あわせて再利用容器(Mehrweg)比率=72%という目標を設定し、2年連続で下回ったら
使い捨て容器(Einweg)にもデポジットを課す“スイッチ”を用意。
1997〜1998年|スイッチが入る
再利用容器比率が目標を割り込み、条件クリア → 発動へ。
2003年1月1日|EinwegにもPfand開始
いよいよ使い捨て容器にもデポジット義務がスタート。
2005年|金額と仕組みを明確化
0.1〜3Lの使い捨て容器は「最低€0.25」と明記(実務は25セントで統一)。
全国共通の運営基盤DPG(Deutsche Pfandsystem GmbH)も発足。
2006年5月1日|全国標準へ
店ごとにバラバラだった“島型”の返却方式を終了。
全国どこでも、同じ材質の容器なら返せる共通ルールに。
🌱 おわりに:制度が“暮らしの癖”になる
ドイツの街がきれいなのは、誰かが“拾ってくれるから”というより、制度そのものが「捨てない」「戻す」を当たり前にしているからなんですね☺️🌱
日本でもリサイクルへの意識は少しずつ高まっていますが、もしも誰でも自然に参加できる仕組みがもっと広がれば、街の景色も、きっと少しずつ変わっていくような気がします。
そして今、玄関のところにはペットボトルをまとめた袋が置いてあります。
「そろそろ返却に行かなきゃな」と思いながら、ブログを更新しています🤭




